準備
- 検査は医師が必要と判断した場合、必要な部位(範囲)のみ撮影されます。
- 造影剤使用の有無も医師により判断されますが、最終的に受検するかを決めるのは患者様ご自身です。
- 医師が検査の必要性と起こりうる損害などを説明し、同意書への署名をお願いしています。
- 造影検査を行う場合は処置室にて静脈に造影剤を注入するための点滴ルートをとります。(CT検査室で行う場合もあります)
- 検査をお受けになる方には検査予約票をお渡しいたしますので、よく読んで、内容注意事項をご確認ください。
- 造影検査がある方には別途造影剤使用の説明書もお配りします。
- 検査内容や撮影部位によっては食事制限があります。
検査を受けられない・受けるのに注意を要する場合があります
- 除細動器やペースメーカーをつけている方
- 糖尿病薬持続注入器・測定器をつけている方
- 糖尿病薬を飲んでいる方
- 以前の造影検査で副作用が出たことがある方
- 妊娠している、またはその可能性がある
- 検査数日前までに胃や腸などのバリウム検査を行っていると体内に残存していることがあり、画像、診断の妨げになるため中止する場合があります。
以上の方は検査内容によっては確認が必要です。必ず医師・看護師にお知らせください。
入室
- 放射線科受付で検査案内表を出していただくと、検査の順番時、技師がお名前をお呼びします。
- 検査室入室時には患者様の「お名前」「生年月日」をまずお聞きいたします。
- その後、検査に必要な確認事項と検査内容のご説明をいたします。医師や看護師から1度確認されている内容ももう一度お聞きしますがご協力ください。
- 検査の内容によっては着替えていただいたり金属類を外して頂きます。
検査
- 検査は寝台に横になって行います。
- 動いてしまうと画像に影響が出てしまうため、動かずにいてください。
- 検査時間は撮影内容撮影部位によって異なりますが、単純撮影で10分程度、造影撮影で15~30分程度です。
- 危険を回避するためにも技師の指示には従っていただきますが、気になること・不安なことなどがある場合にはいつでもご相談ください。
検査の終了
- 造影検査の場合は検査後の水分を多めにお取りください。
- 検査後は次の検査、診察、会計…など患者様ごとにご案内いたしますので、ご確認ください。
造影剤について
- 造影剤は腕の静脈より点滴時の管のようなものでインジェクターと呼ばれる装置により自動注入していきます。
- お声がけをしながら注入していきます。造影剤が体内に入ることにより、体が反応してあったかくなるような感覚がありますが、きちんと造影剤が体内に入っている証拠ですので、ご心配はいりません。
- 検査により注入速度は異なりますが、1.5~5.0㎖/s程度で、注入量は患者様の体重に合わせて決まります。
- 注入された造影剤は体内をめぐり尿となって排泄され、患者様の腎機能にもよりますが24時間で90%以上が排泄されます。
- 検査前は禁食となりますが、水かお茶での水分補給は充分にしていただきます。
- 検査後の食事や入浴に制限はありません。ただし、水分補給は必ず多めにお願いいたします。
造影剤は稀に副作用が起こることがあります。
軽い副作用 | かゆみ、発赤、発疹、悪心、吐き気 | 起こる確率約1% |
重い副作用 | 血圧低下、意識低下、腎機能低下 | 起こる確率約0.02% |
遅延性副作用 | 頭痛、吐き気、かゆみ、発疹 |
検査中に副作用が出た場合は直ぐに対処いたします
遅延性の副作用は検査終了の数日後に起こる場合もあります。検査後1週間程度は体に変化がないか注意してみていただくようお願いしています。
万一そのような症状が出た場合にはすぐに受診していただくか、各科へご相談ください。
造影剤を使用して検査を行う方のうち0.3~0.9%の患者様で血管外に造影剤が漏れることがあります。
血管外に漏れても自然と吸収されますので心配はございませんが、強い痛みや皮膚に変化が現れた場合には、直ぐに各科へご相談ください。
造影検査をお受けになるにあたり以下の場合は必ず事前に医師にお知らせください
- 以前の造影検査で副作用が起こったことのある方
- 喘息や食物・薬物アレルギーなどの体質の方
- 糖尿病薬を服薬中の方
- 重篤な心臓病、肝臓病、腎臓病、甲状腺、けいれんなどの病気をお持ちの方
- 授乳中の方
線量管理
CT撮影には放射線を使用しているため被ばくが問題になります。検査は検査を行うことでの「利益」とその際に生じる被ばくという「損失」を考え「利益」が 上回るときにしか行われません。検査時にどうしても必要となる被ばくでも必要最小限になるよう管理されています。被ばくを考えできるだけ少ない線量で検査を行いたいところですが、 あまりにも線量を減らしてしまうときれいな画像は撮影できません。線量を減らしすぎて粗い画像になってしまうと診断に影響を与えてしまいます。 そこでそのバランスを考え指標として用いられているのが〖診断参考レベル:DRLs〗です。DRLsは全国の各施設から集められたデータを基に決められた値で、 各検査で用いられる線量を最適化するために用いられたいます。当院では『iSED』という線量管理のためのシステムでCT全検査での線量を1人ひとり記録するとともに、 それらの値が見合っているかDRLsと比較することにより、管理しています。
CTDIvol【mGy】 | DLP【mGy・cm】 | |||
プロトコール | 診断参考レベル | 当院 | 診断参考レベル | 当院 |
頭部 | 77 | 66.1 | 1350 | 1269 |
胸部1相 | 13 | 9.08 | 510 | 341 |
胸部から骨盤1相 | 16 | 10.45 | 1200 | 706.5 |
上腹部から骨盤1相 | 18 | 10.06 | 880 | 464 |